DHAサプリに副作用の心配は?過剰摂取は何mg?
DHAサプリメントには副作用があります。
ですが薬ではないので、誰にでもリスクのある副作用ではありません。
過剰摂取による副作用が主です。
どのくらいを過剰摂取というのか、どのような人は気をつけなければいけないのかをまとめました。
DHAサプリメントの副作用はどんなもの?
DHAサプリメントの副作用は、以下のものがあります。
- 吐き気
- 下痢
- けがなどの出血が止まりにくくなる
- 皮下出血
DHAはもともと血液をサラサラにしたり、中性脂肪値を下げたり、動脈硬化を予防したりする効果があります。
イヌイット(グリーンランドの原住民)は、アザラシなどの肉を主食にしています。
グリーンランドは国土の大半を氷におおわれている土地なので、野菜の栽培は不可能な土地でもあります。
野菜をほぼ全く食べておらず、アザラシの肉だけで生活しているイヌイットには、心筋梗塞で亡くなる人が非常に少ないのです。
デンマーク国民の心筋梗塞による死亡率は34.7%、イヌイットは5.3%でした。
同じように肉を中心に食べているのにどうしてこんなに違うのかという調査をしてわかったのがDHAの存在でした。
草や穀物を中心に食べて育った動物の肉と、魚を主食にして育つアザラシなどの海獣の肉には、決定的に違うことがあったのです。
それがDHA、EPAの存在です。
そこから研究が進み、DHA・EPAは血液をサラサラにして血栓を防止し、血管の柔軟性を保つ働きがあることがわかったのです。
生活習慣病を予防する栄養素として、身体にはたいへん必要なものなのですが、効果があるために摂りすぎると上記のような副作用を招いてしまうことがあります。
イヌイットは心筋梗塞が少ないのですが、出血した場合に血が止まりにくかった…というデータがあります。
DHAを摂りすぎてしまった副作用と言えるでしょう。
DHAの過剰摂取は何mg?
DHAの「摂りすぎ」とはどのくらいの量をさすのでしょうか?
DHAの過剰摂取といわれる量は1日当たり3,000㎎(3g)です。
国が推奨する摂取目安量は1日あたり1,000㎎(1g)です。
これは、大きめの魚の切り身1切れで賄える量でもあります。
DHAを摂るには、魚をたくさん食べなければならないイメージもあると思いますが、
- いわし100g = 1,136㎎
- まぐろ(トロ)100g = 2,877㎎
- さば100g = 1,781㎎
- さんま100g = 1,398㎎
- さけ100g = 820㎎(いずれもDHA含有量)
と、かなりの量が魚には含まれています。
例えばサンマを塩焼きで食べた場合、可食部は70g~110g(32㎝のサンマで可食部110g)となります。
DHAは油の部分に含まれますので、幾分調理の途中で落ちてしまうと思われますが、脂ののった旬のサンマなら1尾で1日分のDHAを摂ることが可能です。
油が落ちてしまう調理はDHA量が下がりますが、お刺身が好きな方は上記の量をそのまま摂取することができていると考えてよいでしょう。
よくDHAのサプリメントの広告に、「まぐろのお刺身〇〇切れ分を毎日食べることができますか?」という販促キャッチコピーがありますので、それを見慣れている方は、1日分の量はとてもサプリメントで補えないと感じてしまうのかもしれません。
実際は、朝食に鮭やイワシを食べる習慣のある方はほぼ問題なく1日の摂取量がとれています。
DHAをたくさん摂りたいので、1日1,000㎎含まれているサプリメントを飲み、夕飯にトロのお刺身を食べる…このような生活をしていると「摂取しすぎ」になります。
薬を飲んでいる人も要注意
すでに動脈硬化を予防したり改善したりするための薬を飲んでいる人も要注意です。
その薬の中にはEPAやDHAも含まれているかもしれません。
治療用の薬を飲んでいる人でDHA・EPAが含まれているサプリメントを飲みたい方は、医師に事前の相談が必要です。
安全な量を守って、副作用を心配しない治療をしてください。
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