DHA・EPAサプリにプリン体は入っている?
DHA・EPAサプリメントにはプリン体が含まれているから痛風には良くない、という話があります。
これは本当でしょうか。もし本当なら、DHA・EPAは食事からとるしかないのでしょうか?
目次
プリン体はどんな害がある?
プリン体は食べ物ほぼ全般に含まれている成分です。
うまみ成分に当たるため、プリン体がたくさん含まれている食べ物は「おいしい」のです。
プリン体を食べると、体の中で分解されて尿酸になります。
尿酸はもともと尿と一緒に体の外に出ていくものなので、通常の量ならば体に害を及ぼすことはありません。
プリン体を食べすぎて、尿酸量が排出できる量を越えてしまうと、それはもう排出されず体の中に貯めこまれていきます。それが痛風の原因です。
プリン体は何にでも含まれています。米や小麦などの穀物に加え、ホウレンソウやシイタケなどの野菜類やキノコ類、肉類や魚介類にも含まれています。
生活習慣病を予防するために、血液がサラサラになるDHA・EPAサプリメントを使う方も50代を過ぎてくると増えてくるといいます。
そのDHA・EPAサプリメントの原料の魚もプリン体をたくさん含む食品です。
DHA・EPAにはプリン体が入ったりしていることはないのでしょうか。
DHA・EPAサプリメントにプリン体は入っている?
プリン体が入っているかどうかわからないものと、プリン体をカットしていることが明らかになっているものがあります。
一番いいのは各メーカーのお客様サポートセンターに電話をして聞いてみることです。
「きなり」「DHA&EPA+セサミンEX」などはプリン体をカットしていることがわかっています。
プリン体の入ってないDHA・EPAサプリ「きなり」の効果や体験談はこちら。
尿酸を排出する力は、加齢とともに弱まっていきます。
痛風が心配な方は、プリン体を多く含む食事の回数をなるべく減らすようにしましょう。
DHA・EPAを食事で摂ってはいけない?
尿酸値が高くて痛風が心配な方がDHA・EPAを食事で摂取することはおすすめできません。
DHA・EPA量が高いものはだいたいプリン体の値も高いからです。
魚そのものに含まれるプリン体(mg/100g)
カツオ ⇒ 211.4
マイワシ ⇒ 305.7
マグロ ⇒ 157.4
マアジ ⇒ 245.8
イサキ ⇒ 149.3
サンマ ⇒ 208.8
キス ⇒ 143.9
トビウオ ⇒ 154.6
サケ ⇒ 119.3
缶詰に含まれるプリン体(mg/100g)
ツナ ⇒ 116.9
サーモン ⇒ 132.9
加工された缶詰にも、もちろんプリン体は含まれています。
プリン体はうまみの成分なので、これを除くとすかすかの味わいになってしまいます。
尿酸値が高い場合は、これらのものでDHA・EPAを摂ることができません。
プリン体をカットされているサプリメントで対応するか、EPAを主成分とする薬を使うかということになります。
尿酸値と中性脂肪値、どちらが心配か、ということを最終的にははかりにかけて決めなければなりません。
尿酸値を下げる働きのあるのはアンセリンという成分ですので、尿酸値のほうが高い場合にはアンセリンを含むサプリメントで尿酸値を下げることを最初に考えたほうがいいかもしれません。

DHA・EPAに尿酸値を下げる効果はある?
直接ではないですが、下げる効果はあります。
プリン体が過剰に増えるのは、脂肪分の影響が多いのです。
脂肪や過剰な糖質は、肝臓で中性脂肪になって血液中に放出されます。
中性脂肪は体内でリポタンパク質と呼ばれる物質になり、細胞の表面で遊離脂肪酸とグリセロールに分解され、細胞内に吸収されます。
吸収された遊離脂肪酸とグリセロールは、細胞の中でもう一度中性脂肪として蓄えられます。
エネルギーが必要になると、細胞から遊離脂肪酸が放出されてエネルギーとして使われます。
そのとき、すでに血液中に中性脂肪がたくさんある状態だと、せっかく細胞から放出された遊離脂肪酸が使われないで余ってしまいます。
余った遊離脂肪酸は肝臓へもう一度戻って、中性脂肪として再合成されます。
肝臓へ遊離脂肪酸が戻ると、プリン体の代謝が過剰になります。
つまり、中性脂肪が高い状態がプリン体を過剰に生産させているということになります。
中性脂肪が高い状態を何とかするには、DHA・EPAサプリメントは有効です。
そのため、プリン体を直接下げるよりも原因である「高い中性脂肪値」を何とかすることが尿酸値を改善することだ、というアプローチもあります。
尿酸値を下げるには、まず脂質異常を解決
中性脂肪がたくさんある状態だと、どんどんプリン体が生産されます。
そして、尿酸がさらに合成されてしまうことになります。
この場合、中性脂肪を減らす効果のあるDHA・EPAを食事で摂ることはおすすめできません。
かえってプリン体を増やしてしまうことになるからです。
プリン体がカットされているサプリメントを選び、合わせて脂肪を燃焼させる(=エネルギーを消費する)軽い有酸素運動を毎日の習慣にすることをおすすめします。
サプリメントは薬ではありません。なので、毎日の習慣のサポートしかできません。
その代り重い副作用の心配もなく、体にも負担をかけにくいものです。
薬に頼る前に、自分ですることはしようと思っているのなら、サプリメントだけでは不十分です。
脂質異常や尿酸値が高い状態は生活習慣が作り出すものなので、生活習慣で治すことができます。
一度痛風になってしまうと、簡単に直すことは困難です。
ぜひ、まだ余裕のある今のうちに、良いサプリメントと適度な運動で脂質異常を予防してください。
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